いつもいつも思っていた。
視界に映り込む、彼の手。

「ヒル魔君の手って大きいわね」
「…」

何を当たり前のコトを今更、というように視線をちらりと返しただけで、彼は無言。

「もしかして…かなづちで叩いてみたり、とか」

一度、聞いてみたかったコト。
冗談っぽく聞こえるように笑いながら、言ってみる。
すると彼は自分の手を見下ろし、不機嫌そうに…

「ひしゃげて見えるってか?」
「…っ!そんなこと言って…」
「ばーか。冗談だ」

意地の悪い笑み。
焦るわたしの頭の上にげんこつの形にした手を、彼は軽く乗せる。

「ばかなコト言ってるヒマがあったら、きりきり働きやがれ」

そして、開いた大きな手でぽんとわたしの頭を押す。
軽く触れただけなのに、その手の大きさと力強さを確かに感じて…。
少しだけ、どきりとした。

このわたしの鼓動だけは彼には知られないように。
もうその大きな手に捕まらないように。
わたしは急ぎ足でその場を離れる。

でも、そう思うと同時にまったく正反対のことを考えていたりする自分に、
わたしは時々、ため息をつくのだ。


END


「手」のテーマが好きなのですね〜。で、なんとなく…。
まもり姉さん視点v
                             ..2005/05/21


掲示板より転載 (2005/08)