| 顔
|
|
長いようであっという間に過ぎた半年。 わたしはそれまで自分がアメフト部に関わることになるなんて思ってもいなかったし、無論、風紀委員にとっては天敵の蛭魔妖一と親しくする日が来るなんて思ってもいなかった。 あわただしい毎日だったけど、変わったことがいくつかあった。 その一つは、ヒル魔くんに対するわたしの評価。 近くにいたぶんだけ、前より彼のいろんな『顔』を見ることができた。 他人に対して遠慮はしないし、脅迫なんて日常茶飯事。まさにキョーアクな悪魔のようだと言われても仕方がない所業ばかりが目についた。 けれど、彼は本当にアメフト馬鹿で。 それにかけては何よりまっすぐに一生懸命、突き進む。 たぶんきっと彼が持っているなかで一番キレイに光っているところ。 ここまで純粋さと凶悪さという両極端なものを抱えている人も珍しいと思う。 「何ジロジロ見てやがる。糞マネ」 ちょっと見ていただけなのに、彼は口をへの字に曲げて、悪態混じりにそんなことを言う。 これはただ単に凶悪な性格ゆえの言動なのか。 それとも素直になれない子供のような純粋さからくるものなのか。 とりあえず、本人には知られないように気をつけて。 もう少しだけ観察してみようかな、なんて思ったりする今日この頃。 END 2005/4 WEB拍手に掲載していたSSです。 なんか出てきたので出してみたり(笑
|