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| * twelve window4 +from gensui * |
| 「うーん、本当の事なんですけどねえ」 |
| 「てめえにゃ、付き合いきれん」 と、行ってしまった男の背中を見送りながら、グレミオは苦笑した。 今でこそ『坊ちゃん』と呼び親しむ少年と初めて出会った時。 その時のすべてが不思議なほど鮮明に思い出せる。 幼い少年の背中の向こうに見えていた空の色。 見上げた木の葉の影。 痛みと空腹と。 与えられた言葉。 それらを反芻しながら、ぼんやりと廊下の窓から外を眺めていた彼は近づいてくる足音に顔だけ振り向いた。 「こら、グレミオ」 「おやあ、どうかしましたか?クレオさん」 聞き慣れた足音から相手を知っていたグレミオは驚きもせず、いつもの気さくな口調で問いかける。そんな彼に炎の使い手である美女は軽く眉を上げた。 「どうかした、じゃないでしょ」 いわば家族も同然に暮らしてきた彼らに『遠慮』の文字はない。クレオは呆れたようなため息をついて、グレミオの胸を拳でトンと叩いた。 「なんだか騒がしいと思ったら…。あんたはまた何をしでかしたの?ものすごくご機嫌ナナメだったわよ」 『誰が』というのはこの場合、言うまでもない。 「さっさと謝っておくのね」 その親切な忠告には素直に頷きながら、しかし、グレミオは「でも」と言葉を続ける。 「でも、クレオさん。わたしは坊ちゃんが大恩人だって話をビクトールさんに話しただけなんですよ〜」 「グレミオ…。それは…怒られるのわかっててやったわね?」 確認に、今度は頷きではなく笑顔が返った。 「坊ちゃんってば、相変わらず照れ屋さんですよね〜♪」 うれしそうな笑顔を真正面にクレオは困ったように眉根を寄せ、はあーっと大きく息をつく。 「あんたは丈夫だから、余計なお世話でしょうけど…」 「はい?」 「おバカも死なない程度にしておきなさいよ」 しかめっ面とは裏腹に笑いを含んだ瞳を見返し、グレミオはおっとり笑うのだった。 「それはもうちゃ〜んと肝に銘じてますから♪」 巧みな策略家なのか、本物の天然なのか。 仲間うちでも時々、議論に上るその真相を知る者はまだいない。 |
*** end *** |