「ちょっと来い。バレリア」
「夜も遅くになんだ?ビクトール」
「いいから来いっ」
<バレリアが問答無用で連れてこられたのはビクトールの部屋だった>
「来いって…ここ、おまえの部屋がどうかしたか?」
「いいから見ろ」
「…?綺麗な部屋じゃないか」
「ほかに言うコトはねえのか?」
「よかったな。ビクトール」
「どこがだっ!よくなんかねえだろーがッ」
「ん??なんなんだ?おまえは」
「だからっ…」
「清潔で、きちんと片づいている。よく眠れそうだ」
「ちがうだろ…」
「ん?ベッドの枕元に紙切れが挟まってるな」
「紙切れ?」
「なになに…”ベッドの使用方法について”?制作者ゲン&カマンドール&ジュッポ」
「げええっ。あいつらがいじくったベッドなのか!?」
「だが、見た目は悪くない。これに書いてあるオプションも…まあ使えるんじゃないか?」
「てめえ、人ごとだと思ってるな。こんなアヤシイベッドで眠れるかってんだ」
「試してみよう」
<どん、とバレリアはビクトールをベッドに突き飛ばした>
「だっ?」
「えーと、まずベッドに横になったら枕元のスイッチを押す」
<ガシャンと響く金属音>
「だああっ、なんだこの鉄の輪は!?」
「それでどんなに寝相が悪くてもベッドから落ちなくなるらしい。で、次にコレが」
「ちょ、ちょっと待てッ!!バレ…」
「魔力充電済みの風の封印球発動。あらかじめ指定された魔法は”眠りの風”か。便利だな。そう思わないか?ビクトール」
「……………」
「ビクトール?もう寝たのか?…すごい効き目だな」
<しかしながら、バレリアも感心モノのこのベッドが使われるコトは二度となかった…らしい> |
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