軍人として戦場に立ち、何度も死線をくぐりぬけてきた。 「死」はとても身近で、それを覚悟したのも一度や二度ではない。 命を失うのは呆れるほどに容易い。 薄れ行く、意識と五感に自らのソレを実感する。 『死ぬのか…』 ここまでやれれば、それも悪くない…と思う。 やるべきことは果たすことができた。 キングブラッドレイを倒し、友の無念も少しは晴らすことができた。 これで軍の在り方もまた少しは変わってくれることだろう。 しかし、全身を支配するのは充足感というよりも、寂寥感と呼ぶべきものだった。 痛い。 だるい。 重い。 『ああ………疲れた』 このままもう、眠ってしまってもいい気が、した。 静かで冷たい暗闇をすぐそばに感じる。 身も心もそこに落ちることをごくあたりまえのように受け入れていた。 それでも… 「大佐っ!」 聞こえた声。 何度も何度もわたしを呼ぶ。 「大佐っ!」 君の声が聞こえる。 「ロイ・マスタングっ!!」 震える声と、そして… 『…泣いて、いるのか?』 ああ。 『ああ…死ねない』 死にたくない。 『いや…』 死んで、たまるかっ! 『私は…』 聞こえた君の声。 感じる叫び。 心と魂が揺さぶられる。 『君と生きたい』 強く強く願う。 願えば叶うものではないとわかっているが。 願わなければ、何も始まらない。 『君と生きるんだ』 闇の中に小さな、しかし確かな光が見えた、気がした。 END |
アニメ最終回からの妄想SS☆
…というのがあってもおかしくないかな〜と思うのですが。どーでしょ。
けっこう書いてる人がいそうな内容ですが、いいよね〜。
あの場面にはコレ!と思ったのですヨ。
(2004.10)