冬の朝...by.大佐
目覚まし時計のアラーム音で目を開く。
すっかり冷え切った室内の空気に、頬が凍り付くような感じを覚えた。
『寒い…』
毎朝、思う。
こんな寒い日は暖かいベッドからは出たくない。
頭の中で考えてしまうのは、ずる休みに使えそうな理由。
しかし、どれも使い古されたものでしかない…というか、たいがいの理由ではとても休みなど取れないこともわかっていた。
とてもじゃないが、厳しい副官がずる休みを見逃してくれるなどと期待することはできない。
今日しなければならない仕事の内容が頭の中を駆けめぐる。
『あれとあれは明日でも大丈夫、こいつは今日じゃないと無理か…いや、うまく理由をつけて…』
なんてのは、ちょっとした現実逃避。
時計の針が指す時刻を見て、ため息ひとつ。
思い切りよく布団をはねのける。素足を差し入れたスリッパが氷のようにひやりと冷たい。
『さ、寒い…』
突っ込むような勢いでストーブに近づき、火を入れる。
パジャマの上から構わずコートを羽織り、早く暖かくなれと願いながら、ガス台にやかんをかけた。
『寒い……休みたい』
窓の外を確認しようとカーテンを引くと白い光が目を射た。
その光景に愕然とする。
『雪だと…?』
肌に感じる温度がいっそう下がった気がした。
たった十センチ、と言う輩もいるが、わたしにしてみれば十センチも雪が積もれば十分『雪国』と命名したい。
正直、家から一歩も出たくないと思う。
しかし、そう思えば思うほど真面目に手と体が動いて、出勤の準備を整えてしまうのだから救われない。
『仕方あるまい』
ぐずぐずして時間に遅れようものなら、あの生真面目な副官がずる休みと勘違いして迎えにくるに違いないのだから。
こんなに寒いなかを司令部から我が家まで歩かせるわけにはいかない。
『さて、今日も頑張るか』
そんな冬の日の朝。
END
ありふれた朝の情景です。
イーストシティやセントラルに雪が降るかはわかりませんが、大佐はこんなこと考えたりしないかな〜と思ってみたり(^^
2004/4改訂up
(2004/1 BBS書き込み)