「好きよ」
もう何度も何度も告げた言葉。
でも、いつも初めて言った時のように心臓が壊れそうなほどドキドキする。
想いがあふれて止まらなくて、顔が熱くなるのを感じる。
きっと真っ赤になっているにちがいないわ。
「好きよ。エド」
「お、おう…」
応える彼も、未だその言葉に慣れないように照れくさそうに短い言葉を返す。
その顔が少し赤くなっているのもあたしは知っている。
ちゃんと彼もあたしと同じ気持ちでいてくれていると知っている。
でも、だからって、それですましてしまいたくなんてないの。
「エドは?」
「え…?」
いつもと違う切り返しに、少し驚いたように彼はあたしを見た。
何を言われたのかわからないって顔してる。
「あたしはちゃんと『好き』って言ったわよ。でも、エドがそう言ってくれるのって絶対!あたしより少ないわ」
「………」
「不公平だと思うの」
「ふこうへい…って……」
堂々と胸を張って言う私に、彼は戸惑うようにつぶやいた後、言葉を失ったように立ちつくした。その顔が、一気に真っ赤になる。
「ーっ!」
彼がすごくすごく照れ屋なのは知っている。
でも、これだけはゆずってなんてあげない。
「だって、あたしは…エドの声でたくさん『好き』って聞きたいもの」
自分がすっごく恥ずかしいコトを言っているって、わかってる。
ばかみたいなコトを言ってるかもしれないって思う。
だから、ちゃんと言うはずだった言葉がだんだん小さくなって、顔だって気づけば下を向いてしまっていた。
そんなあたしの視界に、映りこむ鋼の手。
あたしが作ってあたしがずっと整備してきた彼の手。
硬質の輝きを持つそれがゆっくりと動いて、そっとあたしの頬に触れた。
それはまるで人の手と変わらないくらいやさしい。
「…オレも好きだよ」
促されるままに顔を上げれば、ほんのすぐ近くにあった彼の顔はまだ赤みを残したまま。
でも、まじめくさった顔で彼は言葉を続ける。
「オレもおまえの声で『好き』って言われるのが…一番だから」
「本当に?」
そう問いかけると、彼は自分のおでこをあたしのおでこにくっつけて、
「ああ、マジな話な」
ほんのすぐ近くから、本気の目をしてわたしの目を見つめる。
こういうのがたぶん、うれしくてうれしくてしあわせって気持ちなんだと思う。
だから、あたしも応えるの。
「あたしも、エドの『好き』が一番好き」
でも、そうと言ってから、あたしはちょっと笑ってしまった。
だって…
「なんか、変な言い方ね」
「そうだな」
あたしたちはおでこをくっつけて、笑いあう。
その合間に「好きよ」と言うと、「好きだ」と告げる囁きがそっと響いた。
[end]
ほのぼのエドウィン♪ ..2005/05/21
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