【告白】





胸を射すような、正体の知らない痛みが体を虫食んでいる・・・。

その痛みに耐えることは、決して珍しいことではなかったが、

その痛みの正体に気付いてからは・・・・苦痛でしかなかった。









そんなことを考えて、しばし仕事の手を休めていると、ドアを叩く音が耳に入ってきた。

確信はまったくないが、ホークアイ中尉だと思う。

同時に、今日もあの痛みに耐えなければならないのだとも思う。




焦がすような想い――この感情が何を示しているのか、とっくの昔に気付いた。




その痛みを待ち構えているこの瞬間が、私に新たな決心を与えてくれた。




―今日こそ彼女に伝よう。


―全てを、言葉にして伝えることはできないかもしれないけれど、それでも伝えよう。







君 の こ と が 好 き だ と



















そう決意したのに・・・・・・すでに半日が経とうとしていた。

そんな空間の中で、この部屋を支配している音が三つあることに気付く。

一つは、報告書に目を通し、書類にサインをするためにペンを走らせる、私の音。

一つは、私の直属の部下であるホークアイ中尉が出す、資料をめくる音。

残りの一つは、いまどき珍しいアナログ時計の秒針の動く音。








秒針の音





やけに早くないか?







まるで私の心臓の音のようで落ち着かない

彼女も同じ空間にいるので、必然的にこの音を聞くことになる




・・・だからなおさら落ちつかない








時間というものは、気持ちにも関係しているのだと思う。

早く済ませたい、早く済ませようとすると失敗率があがるという。

焦っているとき、ぎりぎりでこなそうとするのは、あまり正しい判断ではない。

だが―――もうそんなことも言っていられない。

一度決心したことを、捻じ曲げるのは、無能のすることだ。




私は無能ではない。





死ぬ直前の金魚のように、口をパクパク動かして、準備運動。

日ごろ、言わない言葉を言おうとしているから、噛まないようにしないと。








よし、行くぞ。


「ホ、ホークアイ中尉」


あ、噛んでしまった。














あー、秒針の音








また早くなったな














天桜亮輔 さま作 「告白」

足繁く通っていた【透明な色彩絵具】さんでリクエスト権をいただき、
ドキドキしながらリクエストさせていただきました。
時計をモチーフに、とお願いしたのですが時計、時間、心理描写をすごく巧みにお話に
取り込んであってとても感動しました!
なにより大佐がとても一途に中尉のことを想っていて、心奪われていて、好きです〜v
なんだか可愛いじゃないですか〜vv がんばれ、大佐!
『君のことが好きだと』
シンプルだけどぐっと胸にくる言葉ですよね(^^)
時間と心理状態の変化、経験したことがあるぶん、よりいっそう大佐が身近に感じられて、
リアルに想像できて楽しませていただきました。

天桜様、本当にとても素敵なお話ありがとうございましたv


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