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| * twelve window3 +from gensui * |
| 「僕がなんだって…?」 |
| 鮮やかな緑のバンダナに赤の武道着を身につけた少年は無愛想な声で言って、ゆっくりと振り返った。 衣装の色に負けず劣らず印象的な目がまっすぐに相手を射抜く。 常に不思議な威圧感をたたえた視線は、この時、不機嫌極まりない心情を表すように絶対零度の迫力があった。 『触らぬ神に祟りナシ』という言葉がビクトールの脳裏を過ぎったが、傍らの金髪青年は早くも逃げ腰でいる彼の服をつかんだまま、明るい笑顔で一歩を踏み出していた。 「だから、坊ちゃんはわたしの大恩人だって話ですよ♪」 「…だいおんじん、ね」 分厚い辞典ほどある書類の束に視線を落とす少年の声には皮肉げな響きがあった。 「あれでそう思えるところがグレミオらしいといえば、そうだけど。僕としてはそんな馬鹿げた名詞はそのへんのドブにでも捨ててもらいたいね」 投げやりな返事に、グレミオは驚いたように目を見開く。 「ど、どーしてそんなことをおっしゃるんですか〜!坊ちゃんがわたしを助けてくださったのは本当のことじゃありませんか。ほら、わたしがいじめっ子にいじめられてるのを助けてくださいましたし…」 「あれは群れて弱い者いじめしかできないガキ共がうっとおしくてぶちのめしただけだろ」 「でもほら、坊ちゃんはお腹空いてたわたしにおにぎりくださったじゃありませんか〜♪わたし、あの時のおにぎりの味、忘れてませんよ」 「さっさと忘れろ。あれだって僕が落とした弁当をおまえが拾い食いしただけじゃないかっ」 「でもでも…」 負けるもんかと言葉を続けようとしたグレミオに、 「うるさいぞ、グレミオ。僕が忙しいのが見えないのかな?その目はただの飾りだとでもいうつもりかい?」 少年は朗らかな微笑みと凍えた視線で、すべての反論を封じた。 傍目にも明らかなほど肩を落として頭を下げるグレミオ。 「…すみません。坊ちゃん」 「わかったのなら、僕の邪魔をしないでくれ」 「本当に坊ちゃんってば、照れ屋さんなんですから…」 ため息混じりの呟きに。 刹那、振り下ろされた棍で脳天を割られそうになった金髪青年を引きずり、ビクトールは脱兎のごとくその場から逃げ出した。 |
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